事業用ビル建設をしたが、事業計画変更で経営が傾いた例
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業種 機械製造業
規模 人員 10名超(最大)、資本金 1000万円
負債 債権者15名程度、債権額8000万円
事例内容
代表者は、業界大手に長年勤務していたが、同僚らと独立起業した。
堅実な経営手法、もともと有していた人的ネットワークを駆使したこともあり、起業後15年以上安定した経営状態であった。金融機関からの融資も幾度となく前倒し完済し、金融機関からの信用も強く、融資の誘いは絶えなかった。
そんな折、事業をより拡大する計画があがり、金融機関の強い押しもあって、所有する工場を一時的に移転、その場所に事業用ビルを建設することになった。
ビル完成後当初の予定通り、全フロアを当法人が利用して経営規模を一気に拡大し、売上も過去最高を記録した。
ところが、数年後、共同経営者間で経営方針をめぐる対立が発生、修復することもできず相手方が退社することとなった。最終的には円満退社という形ではあったが、それに伴い事業の縮小をすることは免れず、ビルの大半を賃貸に回すこととなった。
もともと賃貸にすることは考慮していなかったことから、交通の便や設備環境等に優れているとはいえず、空室のままの期間が長くなりローン負担が増していった。
当法人の破産に至った直接の原因は、売掛先の倒産等他にもあったが、上記の事業計画変更に伴うローン負担増が強く関与していることは否めない。
最終的には、代表者個人とともに破産し、代表者個人は住居・別荘を失ったものの、無事免責を得られ、現在も同業種仲間から乞われて働かれているもよう。
大江戸下町法律事務所
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